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昨日の反省を踏まえ、今日は本を持って出勤。
軽く読めて、かつ考えることが多いものがいいと思って、ウェルギリウスの「牧歌」を書棚から取りました。
「ティテュリュスよ、君は枝を広げたブナの下に横たわり…」と牧人たちの歌が始まります。
もともとはラテン詩であっても、日本語の詩体を通してでも通じるところはあります。
舞台となるのは、ウェルギリウスが創作した牧人たちの理想郷アルカディア。
全十歌からなるこの小品は、共和制から帝政へと移行する時期の田園での実情と、牧人たちの恋愛、ローマ神話をモティーフとしたものという三つに分けることができます。
牧人たちは恋人を巡って歌競べを行ったり、単純に歌の腕前を競ったりと田園生活を謳歌する一方、土地を巡る争いに巻き込まれ、追い出される者もいます。
世情を反映してか、黄金の時代への回帰と鉄の時代の終焉を歌う歌もあります。
でも牧神(パーン)がどこかにいて、ニンフがいて、ウェヌスがいて…という世界。
どこか浮世離れして、不穏さは匂おうけど限りなく平和で、でもどこかで地に足が付いている。
至る所で牧人が詩神に歌の成就を願って加護を乞い、神々もまた、牧人の前へ姿を現します(姿を現すのは第十歌のみ)。
第十歌は特別だとしても、神々と人間が共存し平和を謳歌する世界…。これって、どこかで見たような…?
と思い出してたら心当たり出ました。夏目友人帳です。神々ではなく、妖怪、ですが。
…そうか、アルカディア的な牧歌風景を夏目友人帳の世界とダブらせたのか、自分。
妙に平和で和むと思ったはずです。
夏目の場合、恋愛は抜きにしても人間と妖怪が共存する世界。
妖怪の存在が目に見える者もいるけど、目に見えない者のの方が多い。
多くの妖怪は人間と非干渉の中で共存し、見える者で干渉しあう。
干渉しあう中で、どちらの世界で平安を得るかが夏目のテーマです。
名取さんとかは決別を選んだけど、共存を望んだ夏目の選択は過去をひっくるめて受け入れるという選択。しかも、人とのバランスも加味して。
名取さんたちの妖怪への憎悪はすさまじいけど、夏目が中和剤の役割を果たしてるから、それほどまで強く感じません。牧歌では、憎悪よりも失恋の歌の方が痛々しい。
夏目友人帳のどこが牧歌的なのか。
人と人のつながり、人と妖怪のつながりが殺伐としたものにならず、時に和を、時には不和をもたらす結果になるところ。一種の理想郷的なところがあっても、どこか人間くささがあるところ。
そこが、夏目友人帳における牧歌的なものと思えます。


店会議で早起き。
昨日休みで助かりました。
遅番で一日中SCに居るのも暇。
一度自宅に戻って、お昼は自宅で。
土日の昼下がりの汽車は、部活帰りの高校生が多いことが判明。
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